偏差値と模擬テスト
実業系高校志望者を「君は偏差値が高いから」
高校受験では、受験生にどれくらいの合格確率があるかを、ある模擬テストによ
る点数や順位よりも正確に判断するため、教師の桑田昭三が独自の研究により「
偏差値」を編み出しました。以後、かなり広く使われ、教育現場では重宝してま
した。'80年代になってから「偏差値」=「その生徒の存在価値」かのような位置
づけとされ悪用されました。やがて文部大臣鳩山邦夫や文部官僚寺脇研の提案に
より、公立中学校での進路指導時に使うことが禁止されました。それとともに一
斉業者テストも廃止されました。
実業系高校志望者を「君は偏差値が高いから」などと半強制的に普通高校志望に
変えさせたりするなど、偏差値輪切り指導が行なわれていたという問題がありま
した。そのため、簡単な問題(もしくは難しい問題)の比率が多い試験がどうし
ても出てきます。試験の難易度を一定させるのは大変難しいのです。全国規模で
実施される「大学入試センター試験」の平均点も毎年違います。試験の難易度に
より、試験ごとに点の重みが違います。簡単な問題が多い試験の方が得点はとり
やすいです。例えるなら手軽に釣り堀で釣った魚1匹と、苦労して山奥の渓流で
釣った魚1匹とでは、同じ1匹でも価値が違います。
逆に廃止後は志望校の合格可能性が分かりにくくなり、結局は偏差値指導に制限
のない塾などに進学指導を頼ることになってしまいました。模擬試験に限りませ
んが、試験では毎回同じ問題が出題されることはありません。いつも全く同じ問
題が出題されるのでは学力テストになりません。もし、全く同じ難易度の試験を
作成できるコンピューターがあったとします。それでも受験生全体の得点(平均
点)は変ります。なぜならば、受験生の側の条件が変わるからです。例えば夏休
み前の6月に実施された模試と、受験生が必死になって勉強している12月の模
試とでは、同じ難易度の試験でも受験生全体の得点(平均点)は変ってきます。
高校受験というのは他の受験生との競争なのです。どんなに高い点数をとっても
、他の受験生がそれ以上の点数をとっていれば合格できないのです。極端に言え
ば高校入試では例え90点をとったとしても、他の受験生がみんな90点以上な
ら人気の高校には入れません。受験では他の受験生よりどれだけ得点力が高いの
かが問われています。得点だけを比較しても意味はありません。そのため、点数
ではなく、他の受験生との差異(偏差)を計れる偏差値が重要になるのです。